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    <title>月光樹の書庫</title>
    <link>https://aya-o.kashi-hondana.com</link>
    <description>月光樹の書庫・小説更新情報</description>
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    <copyright>Copyright ©2026 織人文.</copyright>
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    <item>
      <title>終章　最先と最後 - いやさきといやはて</title>
      <link>https://aya-o.kashi-hondana.com/author/page/1435/section/27745</link>
      <pubDate>Tue, 09 Apr 2024 17:41:00 +0900</pubDate>
      <description>全てが終わり、フラナガンでくらし始めたクライとラフティ。
幸せな日々は、穏やかに流れて行く。
そんな中、アニエス商会所属の研究者レマ・アニエスが実験に協力してほしいと二人の家を訪れた――。

架空の惑星ヒプノスを舞台に、《天使》と呼ばれる人間そっくりの兵器と、その主となった男たちの物語『神の眠る星』の最終話です。
作中には男性同士の恋愛関係が登場します。苦手な方・嫌悪感を覚える方は、ご注意下さい。
なお、正式タイトルは『最先と最後』ですが、最先（いやさき）・最後（いやはて）は一般的な読みではないため、サイト上の表記は全てひらがなにしています。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　初夏。
　まぶしい光を受けながら魚を追い、はしゃぎ回る子供たちの声に、クライはふと、奇妙な既視感を覚えて目を細める。そしてそれが、自分の子供のころに、実際にあった風景とよく似ているのだと気づいて、小さく苦笑した。
　エテメナンキが再編成され、彼がフラナガンでくらし始めてすでに、百五十年近くが過ぎていた。
　彼は、今では押しも押されもしない世界的に有名な画家――画伯と呼ばれることが当然の存在となっていた。
　とはいえ、彼自身は昔とさほど変わっていないと思っている。
　絵の技術こそ向上したが、自分の絵にそれほどの価値があるのかどうかは、相変わらずよくわかっていない。
　賞金稼ぎ時代のように、武器を手にして戦うことはほとんどなくなったものの、肉体の鍛錬は変わらず続けていて、そのおかげかどうか、体つきは逞しいままだ。
　《天使》の主であるおかげで、外見上はやはり三十前後のままで――しかし、当人は...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>【４】 - いやさきといやはて</title>
      <link>https://aya-o.kashi-hondana.com/author/page/1435/section/27737</link>
      <pubDate>Mon, 08 Apr 2024 17:52:00 +0900</pubDate>
      <description>全てが終わり、フラナガンでくらし始めたクライとラフティ。
幸せな日々は、穏やかに流れて行く。
そんな中、アニエス商会所属の研究者レマ・アニエスが実験に協力してほしいと二人の家を訪れた――。

架空の惑星ヒプノスを舞台に、《天使》と呼ばれる人間そっくりの兵器と、その主となった男たちの物語『神の眠る星』の最終話です。
作中には男性同士の恋愛関係が登場します。苦手な方・嫌悪感を覚える方は、ご注意下さい。
なお、正式タイトルは『最先と最後』ですが、最先（いやさき）・最後（いやはて）は一般的な読みではないため、サイト上の表記は全てひらがなにしています。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　ララで肖像画を納めると共に、エレンデルやウリエルらとの旧交を温めたクライが、フラナガンに帰国したのは、二日後のことだった。
　当初は、翌日には帰国するつもりだったのだが、エレンデルに引き止められてしまったのだ。
　もっとも、クライ自身も特別急ぐ用事があるわけでもなく、また前回来た時には行くことのできなかった街の観光名所巡りなどもできて、楽しい小旅行ではあったのだ。
　だが、フラナガンに帰国した彼は、それからさほど日を置かずに、再び旅に出るはめになった。
　今度の行き先は、西ゲヘナの小都市リリーである。その都市の一画に建つ、世界連合本部に呼び出されたのだった。
　とはいえそれは、クライだけではなかったけれど。
　カイエとテレンス・リリシア、それに彼の《天使》のラファエルも一緒である。
　しかも、実際に世界連合本部に行ってみると、呼ばれたのは彼らだけではなく、エドマンド・サクラメントとミカエ...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>【３】 - いやさきといやはて</title>
      <link>https://aya-o.kashi-hondana.com/author/page/1435/section/27736</link>
      <pubDate>Mon, 08 Apr 2024 17:31:00 +0900</pubDate>
      <description>全てが終わり、フラナガンでくらし始めたクライとラフティ。
幸せな日々は、穏やかに流れて行く。
そんな中、アニエス商会所属の研究者レマ・アニエスが実験に協力してほしいと二人の家を訪れた――。

架空の惑星ヒプノスを舞台に、《天使》と呼ばれる人間そっくりの兵器と、その主となった男たちの物語『神の眠る星』の最終話です。
作中には男性同士の恋愛関係が登場します。苦手な方・嫌悪感を覚える方は、ご注意下さい。
なお、正式タイトルは『最先と最後』ですが、最先（いやさき）・最後（いやはて）は一般的な読みではないため、サイト上の表記は全てひらがなにしています。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　グラディアスとの通信を終えて、クライは小さく吐息をついた。
　彼がいるのは、ウィンド・ヒルの自宅の自分の寝室である。
　奥にはベッドが置かれているが、その手前には広々とした空間があり、そこに小さな書き物机と椅子が据えられている。彼がいるのはその書き物机の前で、コンピューター端末機が置かれていた。
（新たなる神……か）
　グラディアスから聞かされた内容を、頭の中で反芻し、彼は思わず胸に呟く。
　聞かされた時には驚いたものの、グラディアスにも言ったとおり、けして悪いことだとは思わなかった。
（前教母とランドルフ・ボレロもきっと、考えに考え抜いて決めたことだろう。……悪いようにはならないさ）
　クライは、改めてそう考える。
　たしかに彼にも、この星の真実の歴史を全て詰め込まれた「神」の存在は、諸刃の剣といった側面もなくはないとは思えた。
　リリスやイーヴァにしろ、あるいは他の誰かにしろ、その「...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>【２】 - いやさきといやはて</title>
      <link>https://aya-o.kashi-hondana.com/author/page/1435/section/27704</link>
      <pubDate>Sat, 06 Apr 2024 17:48:00 +0900</pubDate>
      <description>全てが終わり、フラナガンでくらし始めたクライとラフティ。
幸せな日々は、穏やかに流れて行く。
そんな中、アニエス商会所属の研究者レマ・アニエスが実験に協力してほしいと二人の家を訪れた――。

架空の惑星ヒプノスを舞台に、《天使》と呼ばれる人間そっくりの兵器と、その主となった男たちの物語『神の眠る星』の最終話です。
作中には男性同士の恋愛関係が登場します。苦手な方・嫌悪感を覚える方は、ご注意下さい。
なお、正式タイトルは『最先と最後』ですが、最先（いやさき）・最後（いやはて）は一般的な読みではないため、サイト上の表記は全てひらがなにしています。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　グラディアスが自分の部屋に戻ったのは、午後も遅い時間になってからのことだった。
　外科手術によって臍を消され、正式に「エンリル」と名付けられた赤子は、リリスとイーヴァの手によって、再びあのポッドの並ぶ一室で眠りに就いた。
　エンリルのための培養ポッドには新たに羊水が詰められ、人体に影響を与えないことがはっきりしている赤子や子供のための麻酔によって眠らされ、ポッドの中へと収められたのだ。
　その体には、身体データを計測するためのものや、栄養分を点滴するためのチューブ、呼吸器など、さまざまなものが取り付けられ、見慣れない者の目からは、痛ましくさえ映るだろう姿だった。
　グラディアスもまた、その姿に少しだけ胸の痛みを覚えながらも、リリスたちに促されるままに、そこを後にしたのだった。
　部屋に戻って彼は、改めて自分が目にしたもののことや、リリスとイーヴァの二人と話したことなどを考えてみる。
　彼...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>【１】 - いやさきといやはて</title>
      <link>https://aya-o.kashi-hondana.com/author/page/1435/section/27703</link>
      <pubDate>Sat, 06 Apr 2024 17:26:00 +0900</pubDate>
      <description>全てが終わり、フラナガンでくらし始めたクライとラフティ。
幸せな日々は、穏やかに流れて行く。
そんな中、アニエス商会所属の研究者レマ・アニエスが実験に協力してほしいと二人の家を訪れた――。

架空の惑星ヒプノスを舞台に、《天使》と呼ばれる人間そっくりの兵器と、その主となった男たちの物語『神の眠る星』の最終話です。
作中には男性同士の恋愛関係が登場します。苦手な方・嫌悪感を覚える方は、ご注意下さい。
なお、正式タイトルは『最先と最後』ですが、最先（いやさき）・最後（いやはて）は一般的な読みではないため、サイト上の表記は全てひらがなにしています。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　エレンデルの即位式から、ほぼ一月半が過ぎたある日のことだった。
　グラディアスはリリスから呼ばれて、彼らの研究室がある地下一階の一室にいた。
　そこはグラディアスがこれまで一度として足を踏み入れたことのない場所で、室内にはいくつもの巨大な円柱形のポッドが並んでいる。
　そう、そこはリリスとイーヴァ、彼らの《天使》以外、足を踏み入れることを許されていなかった、あの部屋だったのだ。
　もっとも今、中身が入っているポッドは一つだけだ。
「これは……」
　その姿に、グラディアスは思わず目を見張って声を上げる。
　かつては胎児といっていい状態だったポッドの中のそれは、今では小さいながらに容姿もはっきりとして、誰が見ても赤ん坊とわかる姿に成長していた。
「新しい神だ」
　イーヴァがそれへ、どこか楽しげに告げる。
「新しい神、だと？」
　グラディアスは、はじかれたようにそちらをふり返り、問い返した。
...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>【４】 - いやさきといやはて</title>
      <link>https://aya-o.kashi-hondana.com/author/page/1435/section/27680</link>
      <pubDate>Fri, 05 Apr 2024 17:48:00 +0900</pubDate>
      <description>全てが終わり、フラナガンでくらし始めたクライとラフティ。
幸せな日々は、穏やかに流れて行く。
そんな中、アニエス商会所属の研究者レマ・アニエスが実験に協力してほしいと二人の家を訪れた――。

架空の惑星ヒプノスを舞台に、《天使》と呼ばれる人間そっくりの兵器と、その主となった男たちの物語『神の眠る星』の最終話です。
作中には男性同士の恋愛関係が登場します。苦手な方・嫌悪感を覚える方は、ご注意下さい。
なお、正式タイトルは『最先と最後』ですが、最先（いやさき）・最後（いやはて）は一般的な読みではないため、サイト上の表記は全てひらがなにしています。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　数日後。
　リリスとイーヴァは、地下の研究施設の一室にいた。
　地下二階の最も奥まった位置にあるその部屋は、彼ら二人とそれぞれの《天使》以外は存在することすら知らないもので、もちろん清掃用のロボットたちにさえ立ち入らせたことはない。
　白い壁と床、同じ色の高い天井を持つその部屋は、広々としていて殺風景だった。
　部屋の中央付近には、人の背丈の倍はある高さの巨大な試験管のようなものがいくつか並んでいる。
　それは、養育用ポッドだった。
　一般的には、人工授精させた受精卵を育てる人工子宮として使ったり、肉体の一部をクローニングする際に、その培養のために使ったりする。
　だが、リリスとイーヴァにとってそれは、人工生命体を育てるためのものだった。
　かつてカイエも、そしてクローンではあるがエレンデルも、こうしたポッドを使って一定の年齢になるまで育てたのだ。
　いくつかあるポッドのうち、三つには中...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>【３】 - いやさきといやはて</title>
      <link>https://aya-o.kashi-hondana.com/author/page/1435/section/27679</link>
      <pubDate>Fri, 05 Apr 2024 17:32:00 +0900</pubDate>
      <description>全てが終わり、フラナガンでくらし始めたクライとラフティ。
幸せな日々は、穏やかに流れて行く。
そんな中、アニエス商会所属の研究者レマ・アニエスが実験に協力してほしいと二人の家を訪れた――。

架空の惑星ヒプノスを舞台に、《天使》と呼ばれる人間そっくりの兵器と、その主となった男たちの物語『神の眠る星』の最終話です。
作中には男性同士の恋愛関係が登場します。苦手な方・嫌悪感を覚える方は、ご注意下さい。
なお、正式タイトルは『最先と最後』ですが、最先（いやさき）・最後（いやはて）は一般的な読みではないため、サイト上の表記は全てひらがなにしています。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　エレンデルの即位の祝いと称した食事会が終わり、グラディアスはガブリエルと共にリリスの元を辞した。
　自分の居住空間である三階に戻り、居間のソファにおちついて、小さく溜め息をついた。
「あの二人と一緒に食事をすると、妙に気を張ってしまうな」
　思わず低くぼやくと、ガブリエルが小さく笑う。
「ずいぶんと長いつきあいだと思いますが、それでも……ですか？」
「ああ。……リリスはまだしも、イーヴァは相変わらず、何を言い出すか、わからない部分があるからな。ライラがいたころは、彼女がイーヴァを牽制していたからまだしもおとなしかったが、今はほぼ野放しのようなものだしな」
　うなずいて、グラディアスは返した。
　とはいえ、これでもまだずいぶんとマシな方なのだろうとは、彼も理解している。殊にアズラエルが来てからは、その矛先は全てそちらに向いているため、彼にしろリリスにしろ、被害の確率が少なくなっているのだろ...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>【２】 - いやさきといやはて</title>
      <link>https://aya-o.kashi-hondana.com/author/page/1435/section/27660</link>
      <pubDate>Wed, 03 Apr 2024 17:20:00 +0900</pubDate>
      <description>全てが終わり、フラナガンでくらし始めたクライとラフティ。
幸せな日々は、穏やかに流れて行く。
そんな中、アニエス商会所属の研究者レマ・アニエスが実験に協力してほしいと二人の家を訪れた――。

架空の惑星ヒプノスを舞台に、《天使》と呼ばれる人間そっくりの兵器と、その主となった男たちの物語『神の眠る星』の最終話です。
作中には男性同士の恋愛関係が登場します。苦手な方・嫌悪感を覚える方は、ご注意下さい。
なお、正式タイトルは『最先と最後』ですが、最先（いやさき）・最後（いやはて）は一般的な読みではないため、サイト上の表記は全てひらがなにしています。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　エレンデルの即位祝いと称した夕食は、いたって和やかなものだった。
　イーヴァは相変わらずの皮肉混じりの口調で、時に辛らつな言葉を口にしたものの、今夜はさすがに毒よりもどこかはしゃいだ色の方が多く見受けられる。
　そのことにグラディアスは少しだけ、心の中で苦笑せずにはいられなかった。
　結局のところ、リリスもイーヴァも本当にエレンデルが即位したことを喜んではいるのだろう。
　それに、イーヴァの場合、アズラエルがずっと傍にいるようになったことが大きいようだ。
「アニエス商会の研究室――殊にレマ・アニエスには感謝するべきだろうな」
　アズラエルがここに来て間のないころ、イーヴァが相変わらずの口調で、それでもまんざら嘘でもなさげにそう言っていたことがあるのを、ふとグラディアスは思い出した。
「連中の研究成果がなければ、アズラエルは今ごろは《眠り》に落ちて、俺はまた他の奴があいつを目覚めさせるまで...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>【１】 - いやさきといやはて</title>
      <link>https://aya-o.kashi-hondana.com/author/page/1435/section/27659</link>
      <pubDate>Wed, 03 Apr 2024 17:07:00 +0900</pubDate>
      <description>全てが終わり、フラナガンでくらし始めたクライとラフティ。
幸せな日々は、穏やかに流れて行く。
そんな中、アニエス商会所属の研究者レマ・アニエスが実験に協力してほしいと二人の家を訪れた――。

架空の惑星ヒプノスを舞台に、《天使》と呼ばれる人間そっくりの兵器と、その主となった男たちの物語『神の眠る星』の最終話です。
作中には男性同士の恋愛関係が登場します。苦手な方・嫌悪感を覚える方は、ご注意下さい。
なお、正式タイトルは『最先と最後』ですが、最先（いやさき）・最後（いやはて）は一般的な読みではないため、サイト上の表記は全てひらがなにしています。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　法王の冠を頭にいただき、紫色の法王のマントを肩からかけた姿で列席者たちの方をふり返ったエレンデルの姿は、巨大な画面の上でみるみる大きくなり、その顔が表情まではっきり見分けられるほどのアップになった。
　グラディアスは、その顔を見て思わず小さく息を飲む。
　そこは、《極光の塔》の三階に位置する、彼の部屋だった。
　《極光の塔》は南極に位置する封印大陸のほぼ中央――かつて《神の塔》があったその場所に建っている。
　といっても、かつてのそれのような巨大なものではなかった。地上八階、地下二階のごく小さな建物だ。
　住んでいるのは、グラディアスとリリス、イーヴァの三人と彼らの《天使》たち、そしてラフティの死後にここにやって来たアズラエルの七人だけである。
　かつてはエテメナンキの大司祭、あるいは《至高天》の二位と三位と呼ばれた彼らは、今ではかしづく者もなく、そしてまたやるべきこともなく、ただ日々を...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>【４】 - いやさきといやはて</title>
      <link>https://aya-o.kashi-hondana.com/author/page/1435/section/27629</link>
      <pubDate>Tue, 02 Apr 2024 17:46:00 +0900</pubDate>
      <description>全てが終わり、フラナガンでくらし始めたクライとラフティ。
幸せな日々は、穏やかに流れて行く。
そんな中、アニエス商会所属の研究者レマ・アニエスが実験に協力してほしいと二人の家を訪れた――。

架空の惑星ヒプノスを舞台に、《天使》と呼ばれる人間そっくりの兵器と、その主となった男たちの物語『神の眠る星』の最終話です。
作中には男性同士の恋愛関係が登場します。苦手な方・嫌悪感を覚える方は、ご注意下さい。
なお、正式タイトルは『最先と最後』ですが、最先（いやさき）・最後（いやはて）は一般的な読みではないため、サイト上の表記は全てひらがなにしています。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　翌日の早朝。
　クライは、《神理の塔》の一階にある小部屋で、エレンデルと向き合っていた。
　早朝といっても、ようやく夜が明けかかった程度の時間で、あたりはまだほの暗い。
　室内には、調度らしいものはほとんど置かれておらず、エレンデルは幾分高い位置にある明り取りの窓を背にして、立っていた。
　体には、紫色の法衣と黄金造りの宝冠という、本来は即位式の中で大司祭から着付けられることになるはずの、法王の正装をまとっている。
　むろんそれは、クライに肖像画のためのスケッチをしてもらうために、まとったものだ。
　クライの方は、その彼の正面に陣取って、手にしたスケッチブックに、その姿を手早くスケッチしている。
　時間さえあれば、カンバスへ直接彼の立ち姿を見ながら下絵を描いて、色をつけて行く方がいいのだ。
　だが今回は、肖像画のモデルをするために割ける時間が、エレンデルにはさほどない。
　即位式が終われ...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>【３】 - いやさきといやはて</title>
      <link>https://aya-o.kashi-hondana.com/author/page/1435/section/27628</link>
      <pubDate>Tue, 02 Apr 2024 17:27:00 +0900</pubDate>
      <description>全てが終わり、フラナガンでくらし始めたクライとラフティ。
幸せな日々は、穏やかに流れて行く。
そんな中、アニエス商会所属の研究者レマ・アニエスが実験に協力してほしいと二人の家を訪れた――。

架空の惑星ヒプノスを舞台に、《天使》と呼ばれる人間そっくりの兵器と、その主となった男たちの物語『神の眠る星』の最終話です。
作中には男性同士の恋愛関係が登場します。苦手な方・嫌悪感を覚える方は、ご注意下さい。
なお、正式タイトルは『最先と最後』ですが、最先（いやさき）・最後（いやはて）は一般的な読みではないため、サイト上の表記は全てひらがなにしています。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　緋色の法衣に身を包んだ銀髪とすみれ色の目の、長身の男を改めて見やり、クライはどこか懐かしくその名を胸に呟いた。
　アンバー・ラズモントは、彼が《神の塔》にいたころの友人の一人で、テレンス・リリシアの師でもあった人物だ。
　クライが彼と最後に連絡を取り合ったのは十一年前で、エテメナンキ解体後のことだった。その時には彼は、再編成されたエテメナンキに残り、これまでどおり退魔省に所属して長官の補佐官を務めることになったと言っていたものだ。
　ただ、そのあとは互いに連絡を取り合うこともなく、この十一年間はメールのやりとりさえなかったのだった。
「懐かしいな。……その法衣、大司教に昇進したのか」
　クライは、相手の法衣を見やって、呟くように言った。
　アンバーのまとっている法衣はかつてと同じ緋色だったが、その縁には豪華な金襴の縁飾りがつけられ、胸元にも見事な金細工に大きな紅玉をはめ込んだブローチが飾...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>【２】 - いやさきといやはて</title>
      <link>https://aya-o.kashi-hondana.com/author/page/1435/section/27616</link>
      <pubDate>Mon, 01 Apr 2024 18:06:00 +0900</pubDate>
      <description>全てが終わり、フラナガンでくらし始めたクライとラフティ。
幸せな日々は、穏やかに流れて行く。
そんな中、アニエス商会所属の研究者レマ・アニエスが実験に協力してほしいと二人の家を訪れた――。

架空の惑星ヒプノスを舞台に、《天使》と呼ばれる人間そっくりの兵器と、その主となった男たちの物語『神の眠る星』の最終話です。
作中には男性同士の恋愛関係が登場します。苦手な方・嫌悪感を覚える方は、ご注意下さい。
なお、正式タイトルは『最先と最後』ですが、最先（いやさき）・最後（いやはて）は一般的な読みではないため、サイト上の表記は全てひらがなにしています。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　同じころ、クライたちと別れて自分の部屋に戻ったエレンデルは、さっそく手渡されたディスクを自分のコンピューター端末機で再生していた。
　ちなみに、エレンデルの居住区は《神理の塔》の最上階にある。
　かつての《神の塔》に習って、法王の居住エリアはそこに設定され、フロア一つがまるまる生活空間となっていた。
　エレンデルは、法王となることが決まってフラナガンから移ってそのまま、ここでくらしている。
　先の法王の死から、エレンデルの法王内定までの間に、ここも清掃と多少の改装を加えられ、新しい法王を迎えるのになんの不都合もないようしっかり整えられていた。
　なので彼は、身の回りの品だけを手に、ここにおちついたのである。
　本来は明日の即位式が終わるまでは、各国からの参列者や祝いの使節団と会う必要はないのだが、クライたちは特別ということで、彼自身が階下まで降りて出迎えたのだった。
　今彼がいるのは、居...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>【１】 - いやさきといやはて</title>
      <link>https://aya-o.kashi-hondana.com/author/page/1435/section/27615</link>
      <pubDate>Mon, 01 Apr 2024 17:47:00 +0900</pubDate>
      <description>全てが終わり、フラナガンでくらし始めたクライとラフティ。
幸せな日々は、穏やかに流れて行く。
そんな中、アニエス商会所属の研究者レマ・アニエスが実験に協力してほしいと二人の家を訪れた――。

架空の惑星ヒプノスを舞台に、《天使》と呼ばれる人間そっくりの兵器と、その主となった男たちの物語『神の眠る星』の最終話です。
作中には男性同士の恋愛関係が登場します。苦手な方・嫌悪感を覚える方は、ご注意下さい。
なお、正式タイトルは『最先と最後』ですが、最先（いやさき）・最後（いやはて）は一般的な読みではないため、サイト上の表記は全てひらがなにしています。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　四日後の九の月二十四日。
　クライはカリンカやジブリール、その護衛を務めるカイエをはじめとする近衛隊や尼僧衛士らの面々と共に、クラリスへと向かった。
　といってもむろん、かつてと違ってそれは、さほどの長旅ではない。
　専用のハイパードライブシステムを積んだ中型飛空船が用意され、ほんの二時間程度でフラナガンからクラリスの北に位置する小都市ララまでの長い距離を移動するのだ。
　ララは、十一年前にエテメナンキの新たな総本山に設定されるまでは、これといった特産物も何もない、田舎の小さな都市にすぎなかった。
　当然それまでは旅客用飛空船の航路からもはずれているため、空港などもなく、外部と行き来するためには幹線道路を使うか、列車を使う以外ないような街でもあった。
　それが今は、立派な空港が造られ、巡礼者や参拝者らが年間何万人も訪れる街となっている。
　クライたちが降り立ったのも、その空港の一画だった...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>【４】 - いやさきといやはて</title>
      <link>https://aya-o.kashi-hondana.com/author/page/1435/section/27585</link>
      <pubDate>Sat, 30 Mar 2024 17:34:00 +0900</pubDate>
      <description>全てが終わり、フラナガンでくらし始めたクライとラフティ。
幸せな日々は、穏やかに流れて行く。
そんな中、アニエス商会所属の研究者レマ・アニエスが実験に協力してほしいと二人の家を訪れた――。

架空の惑星ヒプノスを舞台に、《天使》と呼ばれる人間そっくりの兵器と、その主となった男たちの物語『神の眠る星』の最終話です。
作中には男性同士の恋愛関係が登場します。苦手な方・嫌悪感を覚える方は、ご注意下さい。
なお、正式タイトルは『最先と最後』ですが、最先（いやさき）・最後（いやはて）は一般的な読みではないため、サイト上の表記は全てひらがなにしています。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　クライが帰った後、居間で一人になってジブリールは、小さく吐息をついた。
「余計なことを、言ってしまったのかしら……」
　その唇からふとこぼれ落ちた呟きは、思いのほか苦く寂しげなかげりを帯びている。
　クライがその死から五年が過ぎた今でも、ラフティに想いを残していること、深い喪失感を抱えていることは、彼女にも充分理解できた。
　クライはもともと情の深い、感受性の強い人間だった。
　三百年に渡る戦士としてのくらしの中で、彼はそうした部分に蓋をして生きて来た。だが、本質は変わっていないのだとジブリールは感じている。
　ましてやラフティは、恋人という以前に彼の人生に大きく関わり、強い影響を与え続けて来た人物だ。
　その人の死が、クライの心に陰を落とさないわけがない。
　それに関して、遠く離れた土地にくらすウリエルもまた、こんなふうに言っていた。
「彼の――クライの胸の痛みが、伝わって来ることがあ...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>【３】 - いやさきといやはて</title>
      <link>https://aya-o.kashi-hondana.com/author/page/1435/section/27584</link>
      <pubDate>Sat, 30 Mar 2024 17:18:00 +0900</pubDate>
      <description>全てが終わり、フラナガンでくらし始めたクライとラフティ。
幸せな日々は、穏やかに流れて行く。
そんな中、アニエス商会所属の研究者レマ・アニエスが実験に協力してほしいと二人の家を訪れた――。

架空の惑星ヒプノスを舞台に、《天使》と呼ばれる人間そっくりの兵器と、その主となった男たちの物語『神の眠る星』の最終話です。
作中には男性同士の恋愛関係が登場します。苦手な方・嫌悪感を覚える方は、ご注意下さい。
なお、正式タイトルは『最先と最後』ですが、最先（いやさき）・最後（いやはて）は一般的な読みではないため、サイト上の表記は全てひらがなにしています。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　その二日後。
　クライは教母にしてフラナガンの国主たるカリンカ・アニエスの呼び出しを受け、大聖堂の中央殿を訪れていた。
　クライが知り合ったころは、まだ二十代だった彼女もすでに三十半ばとなり、持って生まれた気品と上に立つ者にふさわしい貫禄が、全身からにじみ出ているかのようだ。おそらく、彼女が何者かを知らない人間であったとしても、その姿を見れば威儀を正し、頭を垂れたに違いない。
　ちなみに彼女が教母兼国主の座に就いたのは四年前、三十歳の時だった。
　その半年前から体調を崩して床に就いていたラナが亡くなり、その後を継いでのことだ。
　教母がラナだった時代から尼僧長を務めているエリザに案内されて、クライは教母の執務室へといざなわれた。
「ああ、クライさん。……お呼び立てしてしまって、申し訳ありません」
　クライの姿に、カリンカは執務用のデスクに置いたコンピューター端末機のモニター画面から顔を上...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>【２】 - いやさきといやはて</title>
      <link>https://aya-o.kashi-hondana.com/author/page/1435/section/27563</link>
      <pubDate>Wed, 27 Mar 2024 18:02:00 +0900</pubDate>
      <description>全てが終わり、フラナガンでくらし始めたクライとラフティ。
幸せな日々は、穏やかに流れて行く。
そんな中、アニエス商会所属の研究者レマ・アニエスが実験に協力してほしいと二人の家を訪れた――。

架空の惑星ヒプノスを舞台に、《天使》と呼ばれる人間そっくりの兵器と、その主となった男たちの物語『神の眠る星』の最終話です。
作中には男性同士の恋愛関係が登場します。苦手な方・嫌悪感を覚える方は、ご注意下さい。
なお、正式タイトルは『最先と最後』ですが、最先（いやさき）・最後（いやはて）は一般的な読みではないため、サイト上の表記は全てひらがなにしています。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　日暮れ前になると、マロンが帰宅した。
　この日は表のレストランは休みで、彼は大聖堂の方に出している店の様子見兼手伝いに行っていたのだった。
　こちらの店は、父親の死後はたたむことも考えていたのだが、大聖堂側の強い要望で存続となった。
　もともと、人を雇って彼らに任せ、父の健在中もマロンが時おり手伝い兼様子見に行っていたので、現在も従業員たちは同じメンバーで切り盛りしている。ただ、マロンが手伝ったり様子を見たりしに行ける時間は、以前に較べてずいぶんと減ってしまった。それを補う意味もあって彼は、市内の店が休みの日は、大聖堂内の店へと出かけているのである。
　帰宅した彼は、居間に掛けられた自分たちの結婚式の時の絵に、目を丸くした。
「うわ……。すごいですね。これを、タダでもらっちゃって、いいんですか？」
　驚きが去ると、彼はクライをふり返って尋ねる。
「もちろんだ。最初から、贈り物のつもりで描...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>【１】 - いやさきといやはて</title>
      <link>https://aya-o.kashi-hondana.com/author/page/1435/section/27562</link>
      <pubDate>Wed, 27 Mar 2024 17:42:00 +0900</pubDate>
      <description>全てが終わり、フラナガンでくらし始めたクライとラフティ。
幸せな日々は、穏やかに流れて行く。
そんな中、アニエス商会所属の研究者レマ・アニエスが実験に協力してほしいと二人の家を訪れた――。

架空の惑星ヒプノスを舞台に、《天使》と呼ばれる人間そっくりの兵器と、その主となった男たちの物語『神の眠る星』の最終話です。
作中には男性同士の恋愛関係が登場します。苦手な方・嫌悪感を覚える方は、ご注意下さい。
なお、正式タイトルは『最先と最後』ですが、最先（いやさき）・最後（いやはて）は一般的な読みではないため、サイト上の表記は全てひらがなにしています。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　絵筆を置いて、クライは小さく吐息をついた。
　少し離れて、ようやく完成したものを眺める。
　その口元に、少しだけ苦い笑いが浮かんだ。
「上出来、とまでは言えないが……今の俺には精一杯の作品ってとこだな」
　低く呟き、それでも彼はようやく小さくうなずいた。絵の道具をそのままに、一息入れようとアトリエを後にした。
　広々としたキッチンに足を踏み入れ、ポットを火にかけて彼は一人黙々とカーヴァーの用意をする。
　あたりはひどく静かで、時おり、鳥たちのさえずる声や風が庭の草花を揺らす音が聞こえて来る程度だ。今はそこに、小さく火の燃える音が加わる。
　ラフティの死から五年。
　クライは今も一人で、かつて二人で購入したこの家でくらしていた。
　彼の死後、士官学校の教官も辞め、ずっと絵を描いている。
　幸い、賞金稼ぎや《アサシン》の局長をしていたころの蓄えがあるので、食うには困らない。
　絵を描いている...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>【４】 - いやさきといやはて</title>
      <link>https://aya-o.kashi-hondana.com/author/page/1435/section/27537</link>
      <pubDate>Mon, 25 Mar 2024 18:18:00 +0900</pubDate>
      <description>全てが終わり、フラナガンでくらし始めたクライとラフティ。
幸せな日々は、穏やかに流れて行く。
そんな中、アニエス商会所属の研究者レマ・アニエスが実験に協力してほしいと二人の家を訪れた――。

架空の惑星ヒプノスを舞台に、《天使》と呼ばれる人間そっくりの兵器と、その主となった男たちの物語『神の眠る星』の最終話です。
作中には男性同士の恋愛関係が登場します。苦手な方・嫌悪感を覚える方は、ご注意下さい。
なお、正式タイトルは『最先と最後』ですが、最先（いやさき）・最後（いやはて）は一般的な読みではないため、サイト上の表記は全てひらがなにしています。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　ラフティが意識を取り戻したのは、倒れて一時間ほどが過ぎ去った後のことだった。
　中にいたウリエルとアズラエルも、玄関ポーチから響くクライの叫び声に気づいて駆け出して来て、結局アズラエルが倒れたラフティを抱えて、その寝室へと運んだのだ。
　それから彼が目を覚ますまでは、三人とも気が気ではない状態だった。
　とはいえむろん、目覚めた彼を見て一番ホッとしたのはクライだったに違いない。
「ラフティ……。よかった。このまま目が覚めなかったら、医術師を呼びに行こうかと思っていたんだ」
　どこかまだ不安げなまなざしで、ベッドに横たわる彼を見詰めながら言うクライに、ラフティは薄く笑った。
「医術師なんて、呼んだところで役には立ちませんよ。私の体は、普通とは違いますからね」
「だが……」
　何か言いかけるクライを、ラフティは軽く手を上げて、やんわりと制した。
「いえ、本当に。……私の体のことは、医術師や治...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>【３】 - いやさきといやはて</title>
      <link>https://aya-o.kashi-hondana.com/author/page/1435/section/27536</link>
      <pubDate>Mon, 25 Mar 2024 17:53:00 +0900</pubDate>
      <description>全てが終わり、フラナガンでくらし始めたクライとラフティ。
幸せな日々は、穏やかに流れて行く。
そんな中、アニエス商会所属の研究者レマ・アニエスが実験に協力してほしいと二人の家を訪れた――。

架空の惑星ヒプノスを舞台に、《天使》と呼ばれる人間そっくりの兵器と、その主となった男たちの物語『神の眠る星』の最終話です。
作中には男性同士の恋愛関係が登場します。苦手な方・嫌悪感を覚える方は、ご注意下さい。
なお、正式タイトルは『最先と最後』ですが、最先（いやさき）・最後（いやはて）は一般的な読みではないため、サイト上の表記は全てひらがなにしています。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　黄金色というにはいささか暗い、黄昏の色に染まった夕暮れの空をふと見上げ、クライはなんとはない胸の痛むような懐かしさを感じて、思わず自宅の家の玄関に立ち尽くす。
　どこからか流れて来る夕餉の支度をする独特の匂いに、甘い花の香りが混じっているのもまた、奇妙に郷愁を誘った。
（俺は今、どこにいるのだろう？）
　ふと彼は、胸に問うて背後をふり返った。
　そこにあるのは、ウィンド・ヒルの一画に建つ見慣れた自分の家だ。ただし、それは彼が育ったそこではない。
　もちろん、家の外観もまったく違っている。
　それなのに彼は一瞬、そこがかつて両親とジブリールと共に住んでいた、あの屋敷であるかのような錯覚を覚えた。
　その時。
「クライー！」
　自分を呼ぶ明るい声に、彼は現実へと引き戻された。
　こちらへゆっくりと歩いて来ながら彼に向かって手をふり、その名を呼んでいるのはカイエだった。
　クライたちがレマの実...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>【２】 - いやさきといやはて</title>
      <link>https://aya-o.kashi-hondana.com/author/page/1435/section/27334</link>
      <pubDate>Wed, 20 Mar 2024 16:02:00 +0900</pubDate>
      <description>全てが終わり、フラナガンでくらし始めたクライとラフティ。
幸せな日々は、穏やかに流れて行く。
そんな中、アニエス商会所属の研究者レマ・アニエスが実験に協力してほしいと二人の家を訪れた――。

架空の惑星ヒプノスを舞台に、《天使》と呼ばれる人間そっくりの兵器と、その主となった男たちの物語『神の眠る星』の最終話です。
作中には男性同士の恋愛関係が登場します。苦手な方・嫌悪感を覚える方は、ご注意下さい。
なお、正式タイトルは『最先と最後』ですが、最先（いやさき）・最後（いやはて）は一般的な読みではないため、サイト上の表記は全てひらがなにしています。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　数日後の午後。
　クライとラフティ、それにウリエルとアズラエルの四人は、フラナガン市内の中心部に位置するアニエス商会フラナガン支社を訪れていた。
　ちなみにそこは、三百年前にはマニ・アニエスの屋敷があった場所である。
　むろん、建物そのものは建て直されて、近代的なビルへと変貌していた。しかし、場所そのものは、ルーフが創設されるまでマニとその家族がくらしていた所で、彼らが大聖堂へ移った後も、当時はアニエス商会の本社として使われていた屋敷があったのだった。
　もっとも、アニエス商会だけでなく、その周囲の建物もすっかり様変わりしてしまっているため、エアカーを降りてあたりを見回した時にもクライは、懐かしいといった感慨を抱くことはなかった。
　これは彼がフラナガンでくらし始めて気づいたことだったが、この都市には二つの顔があるのだった。
　一つは、彼が子供時代から青年期を過ごしたころと少しも変わるこ...]]></content:encoded>
    </item>
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